今回は、いつにも増して個人的なつぶやきです。何かとお忙しい時期ですが、よろしければ暇つぶしに。

人それぞれ、とっておきの場所ってあるのではないでしょうか。私の場合、それは上石津の家のそばにあります。

移住してくる少し前。上石津町時地区の、未来のわが家周辺の地図を眺めていると。集落の真ん中を「県道139号」が通っているではありませんか。

私にとって「139」とは、大好きだった上司のことを意味します。伊作(いさく)さん、という上司だったので、彼のメアドやサインは「139」でした。

なぜ、大好き「だった」かというと、いまは天国にいるから。

私が所属していた、139さん率いるプロジェクトチームのみんなは、激務の時代を共に駆け抜けた、いわば同志でもありました。みんなが一つの目標に向かって、寝食忘れて夢中になれたメンバー。だから、俺たち親友だよな、と139さんはよく言ってくれたものです。私の退職後も、お会いするたび「幸せか?」と聞いてくれた、キザでかっこいい上司でした。それがある日突然死んじゃった。51才でした。

139さんと会えなくなってから8年。移住先に県道139号か。やっぱり運命感じちゃうなあ。

移住してきてしばらく経ったある日のこと。県道139号をいつも通り車で走っていると。道沿いのうす暗い森の中に、立派な角を持った、大きな大きな、そしてとても美しい鹿が、凛と立っていました。私は助手席にいたのですが、鹿はジッと私を見つめ、数秒間目が合って離れませんでした。

あれはきっと139さんだ。

だいじょうぶ139さん。私はとても幸せですよ。