小さいころ、「大草原の小さな家」というテレビドラマが好きでした。西部開拓時代のアメリカの大自然が舞台の、移民家族のお話です。毎回、これでもかこれでもかと、一家を困難が襲います。自然災害や獣、病気、移住先のいけずなご近所さん。それでも明るい一家は力強く乗り越えていきます。私が夢中だったのは、一家の大黒柱、チャールズというお父さんでした。チャールズ、ほんとすごかった。家を自分で建て、馬を操り、麦を育て、狩りをし、家族をあらゆることから守り、町の人々を助ける。自然を愛し、家族を愛し、隣人を愛すやさしく強い男。その上マッチョで、日焼けした笑顔がステキ。子供ながらに思いました。んー、うちのおとんと何かが……いや、ぜんぶちがう。
時が経ち、理想の男性像・チャールズとはかけ離れた夫を持ち、やがて「大自然のわりと大きな家」に越してきたわけですが。
びっくりです。チャールズ、いっぱいいます。父親ほどの年齢の方も、みなさん日焼けしてガッチリされてます。お仕事とは別に畑をされている方が多く、自然とのつきあい方もスマート、ちょっとした大工仕事も慣れたもの。そしてみなさん、とにかくやさしい!
その中でも、ベストオブチャールズがいます。移住の先輩、Tさん。古民家の屋根裏を一からひとりで改装し、めちゃくちゃかっこいい空間に。そこはまるで都会の隠れ家バー。こだわりと男のロマンが詰まっています。大自然を相手にお仕事されているTさん、夜になると薪ストーブの火を見つめながらゆっくりとコーヒーを淹れるそうです。もちろんご家族への愛もハンパない。娘さんが描いた絵や、中学の卒業式で息子さんからもらったお花を飾っています。お子さんたち、なんでもできる頼もしくやさしいお父さんが大好きな様子。かっこよすぎやろ!
ちなみに。うちの夫も、少しずつチャールズ化しています。いや、もともとチャールズ要素はあったらしい。古い家を少しずつ便利にし、壊れたものを自分で直し、草刈りをし、畑仕事を勉強し始めた。なんだか楽しそうです。
里山の生活の中で日々進化している夫に、ほんのちょっとだけ頼もしさを感じている今日この頃です。